IT業界は文系出身を求めている!文系からIT業界へ入るメリット

就職

就職活動を行う中で、IT業界に興味を持つ人も多いかと思います。
エンジニアとして世の中の役に立つアプリをつくったり、独立してフリーランスエンジニアになるなど夢があります。
しかし、文系からIT業界に入るとなると、自分はうまくやっていけるかと不安になることでしょう。
苦労して就職したのにすぐに転職、という事態は悲しいです。

しかし、実はIT業界には文系が活躍できる機会がたくさんあります。
情報系の学生はIT知識や経験で有利なように見えますが、ITとは関係のない知識を専攻していることが求められる場面も多いのです。

そこで、本記事では文系からIT業界へ入った際のメリットを説明します。
どんな点で優位性があるのか、どんな準備をしておけばより自分の強みを生かせるのかなどをご紹介します。

IT業界へ興味がある人や、IT業界へ入ることが決まっている人の不安が少しでも取り除ければ幸いです。

IT業界で求められる資質

現在世の中の多くの仕組みがIT化されています。
皆さんもIT機器を触らない日はないのではないでしょうか。

そんなIT業界には一定の能力、資質が必要になります。
細かい部分は業界によって異なるので、今回は共通して求められる資質をご紹介します。

IT業界の分類については以下をご参照ください。
誰でもわかるIT業界の分類図

ITといえば理系のイメージが強いと思いますが、実際に必要な能力について見ていきましょう。

論理的思考力(ロジカルシンキング)

ITの世界では、すべてのシステムが事前の正確な設計により動いています。
「なんとなく動く」だと動かなくなった際に大問題となります。
そのため、どういった理論でその仕組みが動くのかをすべて説明できないといけません。

このような、仕組みを明確に理解するために論理的思考力(ロジカルシンキング)が必要になります。
論理的思考力とは、「結論に向けて道筋を立てて考える能力」です。
例えば、「なぜ寝坊してしまうのか」について考えてみます。

上の図のように、事象を事細かに分析して根本原因を特定します。
起きれないという「自責」と起きるべき時間が早いという「他責」を深堀することで、真に解決するべき原因を特定していきます。

IT業界ではたった1文字のミスでシステムが動かなくなってしまいます。
システムの細かいチェックとともに、「なぜ」を追求する必要があります。
細かい動作の仕組みを理解し、論理的に組み合わせる能力が必要です。

論理的思考力は訓練次第で誰でも身に着けることができます。
ロジカルシンキングについての詳細は別の記事で説明します。

記憶力

IT業界は他の業界に比べて技術の移り変わりが早いです。
昨日まで当たり前だった技術が朝起きたら時代遅れの技術扱いを受けることも珍しくないです。
私も何度か経験していますが、導入している仕組みのメンテナンス等で笑えないほど忙しくなります。

とはいうものの、すべての企業がすぐさま新しい技術に移行するわけではなく、古い技術と新しい技術を並行して利用するケースが多くなります。
そのため、古い技術知識を持ちつつ新しい技術の情報を取り入れる必要があり、記憶力が必要とされます。

また、IT業界は横文字を利用することが多いです。
見慣れない言葉の意味を理解し、覚えておく必要があります。
日本語のままでいいものを、わざわざ英語に直したりすることも多いです。
アテンド、アジャスト、アプルーブ、ディナイ、コミット、etc…
鬱陶しいと思っていましたが、何となく慣れてしまいました。

また、技術用語はほとんどが英語です。
IT業界で働くためには、たくさんの用語を覚えつつ、それぞれの意味を理解する力が求められます。

仮説検証力

IT業界では、様々な技術を組み合わせて仕組みを作り上げていきます。
同じ業界の技術の場合もあれば、別のIT業界の技術を組み合わせて作り上げることもあります。

IT業界では、技術同士を組み合わせた際に、どんな動作をするのか推測する力が求められます。
例えば、棒を縦に動かす仕組みA(旧技術)と棒を横に動かす仕組みB(新技術)を組み合わせるとします。
この2つを同時に動かした場合、どういった動きをするのか試験前に推測します。

①L字に動く
②ギザギザに動く
③斜めに動く
④etc…

このように、事前に複数の動作が考えられます。
その中で、技術的に説明ができる根拠を探し出し、実際に動作を確認します。
上記の場合だと、技術Aは「一番優先される」「ほかの動作を受け付けない」という技術根拠を見つけ出した場合、①であると推測することができます。

コミュニケーション能力

IT業界に限った話ではありませんが、仕事は一人ではできません。
同じ会社のメンバーだけでなく、顧客やメーカ、協力会社など様々な人と連携して行います。
そのため、他人と適切にコミュニケーションをとる能力が求められます。

IT業界は一人で黙々とパソコンに向かっているイメージがあり、コミュニケーション能力は必要ないと思う人もいるかもしれません。
しかし、実際は1つの仕事をチーム単位で行うことが多いため、チームメンバーと円滑にコミュニケーションをとる必要があります。
たとえ一人で黙々とプログラムを作る仕事だったとしても、出来上がったプログラムの確認のために社内や顧客向けにプログラムの説明をしたり、確認依頼の連絡をしなければなりません。

このように、IT業界でもコミュニケーション能力が必要とされます。

文系でIT業界に入るメリット

IT業界では共通して求められる能力があることをお伝えしました。
IT知識においては情報系出身者が有利になりますが、文系出身者はどの点で有利になるのでしょうか。
それは、「仮説検証能力」「コミュニケーション能力」です。

仮説検証力

仮説検証能力とは、未知の領域に対して自分の持つ知識を組み合わせて推測する能力です。
知識を組み合わせて新しい技術を検証したり、技術を組み合わせて全く新しい仕組みを生み出したりします。
知識や経験のある情報系出身者に有利なように見えますが、実は文系出身者に有利な点があります。

新しい仕組みを作り出そうとする場合、経験豊富な人は過去の実績をたどります。
今までにうまくいった方法や、技術の仕組みをきちんと理解したうえで新しい仕組みを生み出します。
そのため、新しい技術の理解が早かったり、安定した仕組みを作り上げることができます。
しかし、新しい技術を今までのやり方と同じように活用したり、今までの経験から同じような仕組みが生まれがちになります。

一方、文系出身者は知識や実績が経験者に比べると浅いです。
古い技術も新しい技術も同じく未知の技術となります。
そのため、経験者が見逃すような細かい部分を確認したり、過去のやり方にとらわれない柔軟な仕組みを思いつくことができます。

IT業界ではこのような「新しい発想」が求められており、情報系出身者や経験者より文系出身者のほうが優位になる点です。

コミュニケーション能力

【IT業界で求められる資質】で説明した通り、IT業界もコミュニケーション能力を求められます。
営業職だけでなく、エンジニア職もコミュニケーション能力を求められます。

仕組みを作るにあたって最も重要なポイントが、「要件定義」です。
顧客が新しい仕組みやシステムを依頼する際、必ず目的があります。
ITの仕組みは目的を実現させるための手段であって、仕組みを作ることが目的ではありません。

例えば、雨が降って帰宅するのに困っていたとします。
たまたま近くに傘が売っていたので、仕方なく購入しました。
この場合、傘そのものが欲しくてお金を払ったのではなく、雨を防ぐ行為のためにお金を払っています。

このように、ITを利用して何かを実現するために顧客は金銭を支払います。
しかし、多くの人が仕組みをのものを作ることに注力してしまい、顧客の要望を満たせずにいます。
下の画像を見てください。

SNSでよくネタにされているので見たことがある人もいるかもしれませんが、実際に顧客の求めるものを聞き出す能力は重要です。
ここで重要になるのがコミュニケーション能力です。

顧客の要望を実現可能な形に落とし込む仕事は、営業だけでなくエンジニアも必要です。
技術的に実現可能か、顧客要望を満たすために指定された技術で本当にいいのか、見極めが必要です。
そのため、エンジニアもプログラム作成能力だけでなく顧客と対峙する能力が求められます。

情報系出身のエンジニアの場合、大学では技術のみを学んでいます。
そのため、技術的な優位はあっても「仕組みを作ること」に執着しがちであり、顧客要望を聞き出す部分がおろそかになってしまいます。

一方、文系は伝えることを中心とした学問です。
例えば文学部は文学を通して情感や状況を伝えますし、法学部は守るべきルールを法律を通じて伝えます。
要件をまとめて伝える技術を学んでいる文系出身者は、要件定義などのコミュニケーションの場において優位になります。

他にも、自身が学んできたIT以外の知識がIT業界で戦うための武器になります。
次の項目で説明します。

学科で学んできたこと

IT業界で仕事をするにあたり、IT以外の知識を求められる場面が多々あります。
なぜなら、IT業界が取引をする相手はIT業界だとは限らないからです。

IT業界の取引先は「ITを利用する企業」であるため、業界にとらわれません。
サービス業向けに在庫管理の仕組みを開発することもあれば、自治体向けに業務システムを提供したりします。
もちろん、同じIT業界向けに通信の仕組みを提供することもあり、提供する内容や範囲に制限がありません。

異業界と取引をするにあたり、最低限の業界知識を理解しておく必要があります。
民間企業と自治体では契約の仕組みが異なりますし、民間企業であってもサービス業と製造業では同じ仕組みでも求められる内容が異なります。
取引業界が「誰に何を提供している」のか理解しておかないと、顧客の求めるものを提供することができません。

文系出身である場合、IT知識は少ないかもしれませんが、自身が専攻した学科の知識を有しています。
法学部出身であれば法律の知識を持っていますし、文学部であれば文学や言語の知識を持っています。
一方、情報系出身者はIT知識やIT業界の知識を学んでいますが、その他の知識は自己学習をしていない限り持ち合わせていません。
IT知識は日常業務で身に着けることができますが、別業界の知識は個別の顧客対応を通さないとなかなか身に着ける機会がありません。
しかし、別業界の知識を有していないと顧客の信頼をなかなか得ることができず、仕事を依頼してもらえません。

IT業界以外の知識が薄いと大きな仕事を得ることができず、その結果学習の機会を失ってしまいます。
そのため、IT以外を専攻していた文系学生は特定の分野で強みを発揮することができ、情報系出身に比べて優位に立つことができます。

文系がIT業界で活躍するためにするべき努力

上記で説明した通り、IT知識では情報系出身者に劣っていたとしても、その他の点で文系出身者にメリットがあります。
自身の持ち味を理解し業務に生かすことで、IT業界で活躍することができるでしょう。

ただし、文系出身者にメリットがあるからといって、何もせずIT業界に入って活躍できるわけではありません。
IT知識では情報系出身者のほうが優位であることは変わらないので、それなりに努力をする必要があります。
そこで、どのような努力をすればよりIT業界で活躍できる人材になれるのかご紹介します。

自己分析

一口にIT業界と言っても、その幅は広く特徴もそれぞれ異なります。
自分の興味がどの業界に適しているかをきちんと把握し、適切な学習や就職活動をする必要があります。

就職活動においては情報収集といかに自分を売り込めるかが重要になります。
自分がIT業界でどんなことをしたいのか、どんな経験から興味を持ったのかを明確にし、自分の体験と合わせて語れるようにしておくことが必要です。
まずは業界の分類を理解し、自分の興味がありそうな分野を深堀しましょう。

情報収集を行うにあたり、調べてもわからないことが多く壁にぶつかることもあるかと思います。
マイナビリクルートなどは就活全体に特化しており、広く浅い情報しか手に入りにくいです。
そこで、就活情報に特化した上記サイトと並行して就活情報に特化したサイトに登録しておきましょう。
情報収集には【キャリch】というサイトがおすすめです。

【キャリch】には就活対策資料が豊富にそろっており、志望動機や面接対策だけでなく、志望動機の対策もできます。
業界別の実際に通過したエントリーシートの回答ガクチカ 志望動機をまとめた資料をはじめ、 SPI自己分析書類作成、面接といった 就活に必須な質の高い情報を無料で入手可能です。



詳細な自己分析については以下の記事を参照ください。
文系からIT業界へ就職するための自己分析

業界学習

IT業界で働くにあたり、業界知識は身に着けておくべきです。
興味のある分野や自分が所属する業界の知識だけでなく、仕事上関わりのある業界知識を最低限理解する必要があります。

例えば、ソフトウェア業界に興味がある場合にどんなことを学んでおくべきでしょうか。
ソフトウェア業界も幅広いので、今回は「スマホゲーム開発」を例に見ていきます。

仕事内容

メインの仕事は「スマホで動くプログラムの開発」であり、そのためにはプログラムスキルが必要です。
一言でプログラムスキルと言っても、様々な言語が存在します。
有名な「Java」「Python」だけでなく、iOS(iPhoneのOS)用の言語やAndroid用の言語など、様々な言語があり、言語ごとに特徴があります。
自身が興味のある領域でどの言語がよく使われるのか、なぜその言語を使うのか事前に確認しましょう。

働き方

プログラミングを行うにあたり、ほとんどがパソコンを使ってプログラムを作成します。
この時点で、「パソコン業務 = 座り仕事」であることが想像できます。
また、パソコン一つあればプログラミングを行うことができるので「テレワーク」導入率が高いです。
上記のようなメリットもありますが、顧客が望む成果品、すなわち作成したプログラムを動かせる形で顧客に導入することが仕事になります。
そのため、成果品の作成に時間がかかっている場合は残業もかなり増えますし、顧客要望に合わない成果品の場合はやり直しも必要になります。
「服装や場所を問わずに働くことができるが、状況や時期次第では残業が非常に多くなる」という特徴がわかります。
就職してからギャップで苦しまないためにも、必ず目を通しておきましょう。

関連する業界

ソフトウェア業界で活躍するためにプログラミングだけを学習していた場合、与えられた条件でプログラムを作ることしか学ぶことしかできません。
プログラムを動かすためには「ハードウェア」が必要であり、様々なハードウェアで動作するプログラムを作れないといけません。
スマホアプリの場合は「Androidスマホ」か「iPhone」が主流であり、どちらで動くソフトウェアを作るのかでプログラムの内容が異なります。
「iPhoneならこの言語」といった簡単な内容ではなく、Apple(ハードウェアメーカ)が提供するOSで動作する仕組みを作らなければなりません。
そのためには、ソフトウェアはハードウェアの上で動くという知識が必要であり、ハードウェアの中にはOSが組み込まれているという「ハードウェア業界の知識」が必要になります。

このように、「仕事内容」「働き方」「関連業界」を業界知識として学ぶことで、文系出身がIT業界でより活躍することができます。

これらの具体的な学習方法については別の記事で説明いたします。

論理的思考力を身に着ける

論理的思考力を鍛えておくことで、スムーズに仕事に取り掛かることができます。
近年様々な企業で論理的思考力を重視しており、新人研修や中途採用研修で実施する会社も多いです。
しかし、研修で概要を学ぶことはできても、実戦練習する時間は設けられていません。
考え方を学んだところで、使えなければ意味がありません。

簡単な鍛え方として、普段から「5W1H」と「目的と手段」を意識する方法があります。
詳細は別の記事で説明いたします。

まとめ

ここまで説明した通り、文系出身者でもIT業界で活躍することは可能です。
技術だけで戦うのではなく、自分の学んできたことを武器として業務に取り組み、是非ITの世界で活躍してください。

IT業界の職種については以下の記事を参照ください。