誰でもわかるIT業界の分類図

仕事

近年は便利な情報社会で、様々なものにITを活用しています。
私たちも普段からスマホやスマート家電を利用しており、もはやITは生活の一部と言っても過言ではありません。

しかし、便利なものが増えるにつれ、曖昧な理解のまま利用してるものが多いと感じてはいないでしょうか。
知っている前提で説明を省かれているケースも多いです。
そもそもIT業界にはどのような種類があるかご存じでしょうか。

本記事では、IT業界に身を置く筆者が、IT業界について説明します。
IT業界の大まかな分類を理解することにより、日々の生活でよりITを身近に感じることができるでしょう。

また、IT業界について理解を深めることで、就職活動や転職活動の際に、自身が興味のある業界とのつながりを理解することができます。

多くの業界がITと密接に関わっていることをわかってもらえれば幸いです。

IT業界とは

ITとは、「Information Technology:情報技術」の略称で、情報を扱うための技術の総称です。
離れた拠点間でデータのやり取りをするための技術や、メールなどのデータを通信できる形に加工する技術など、様々な技術があります。

近年はICT「Information and Communication Technology:情報伝達技術」と呼ぶことが増えてきており、情報を伝達しあうことの重要性が増しています。
IoTという言葉にも耳なじみがあるのではないでしょうか。
IoTは「Internet of things:モノのインターネット」で、すべてのものがインターネットに繋がって利用できる状況を目指すことを言います。
スマート家電のように、インターネット接続しておけば外出先からも自宅の家電を管理できるものをイメージするとわかりやすいかもしれません。

このように、様々な情報技術を扱う業界がIT業界です。
IT業界の中でも様々な技術を使い、異なる目的のために仕組みを作り上げています。
具体的なIT業界の分類については、次項で説明します。

IT業界の5分類

IT行愛の分類

IT業界は大きく5つの分類に分けることができます。
多くの企業がBtoB(Business to Business)の形式をとっており、企業向けに製品やサービスを提供しています。
ですので、普段の生活では聞きなじみのない会社が、実は業界では誰もが羨む有名企業、といったことがよくあります。

上記の図のように大きく分類することはできますが、厳密には1つの企業が様々な分類の仕事をしています。
例えば、富士通株式会社を見てみると、
・パソコン・サーバ販売:ハードウェア業界
・住民票発行システム構築:情報処理サービス業界
・クラウドサービス提供:インターネット・Web業界
このように、複数業界の仕事を行っています。

業界ごとの分類を把握するとともに、業界同士の連携を理解することが重要です。

インターネット・Web業界

インターネット・Web業界は、インターネット上でサービスを提供する業界です。
この業界は「広告」業と「コンテンツ」業の2つに分類することができます。

例えば、YoutubeやTwitterなどのSNSは広告業に該当します。
インターネット上で交流の場を用意したり、動画共有の場所を用意することで人が集まる環境を作り、そこで広告を流すことで目的の商品の販売を促進します。
広告掲載に効果のある場所を作り、企業向けに広告掲載のスペースを貸し出すことで収益をあげています。

一方、U-NEXTのようなレンタルサービスや、オンラインショップなどはコンテンツ業に該当します。
例えば、U-NEXTは映画やアニメ、漫画などの商品(コンテンツ)をインターネット上で公開し、月額課金者や単体購入者に対して閲覧の権利を貸し出します。
オンラインショップであれば、自社製品の紹介ページをインターネット上で公開し、購入希望者に対して商品をのものを送ります。

他にも、オンラインゲームのように広告掲載とコンテンツ販売の両方を行っている企業もあります。

インターネット業界は上記の図のような形で成り立っています。

ソフトウェア業界

ソフトウェア業界は、土台の上で動くプログラムを提供する業界です。
ソフトウェアとは機械そのものを動かすための仕組みであり、大きく5つに分類することができます。

OS:基本的な操作を司るソフトウェアで、アプリケーションを動かす土台になります。
OS上でソフトウェアを実行させるため、柔軟な対応性がもとめられます。
Windows、iOS、Linuxなどが代表例です。

アプリケーション:特定の目的にために作られるソフトウェアです。
機器にとらわれない自由な動作が可能ですが、OSに合わせた開発が必要になります。
Wordなどのofficeソフト、スマホゲームなどが代表例です。

ファームウェア:ハードウェアごとに決められた役割を担うソフトウェアです。
アプリケーションと異なり、機器で固定された動作を行います。
ハードウェアごとに組み込まれるので、ハードウェア業界で開発することが多いです。

デバイスドライバ:デバイス(マウスなどの周辺機器)を動かすためのソフトウェアです。
パソコンにデバイスを認識させるための役割を担います。
パソコン本体と連携するため、ハードウェア業界内で連携して開発します。

ミドルウェア:ソフトウェア同士の仲介を行うためのソフトウェアです。
他のソフトウェアと異なり、他のソフトウェアの動作を補助する役割を担います。
データベースやアプリケーションサーバなどが該当します。

続いて、ソフトウェアを載せる土台となるハードウェア業界を見ていきます。

ハードウェア業界

ハードウェア業界は、ソフトウェアが動くための土台を提供する業界です。
機器本体の製造だけでなく、ハードウェアに乗せるファームウェアの開発を行います。

ファームウェアは機器の中核とも呼べる仕組みになるので、開発にはソフトウェア業界の知識が必要不可欠です。
独自開発で斬新なファームウェアを開発したとしても、上に乗せるOSが対応できなければ機器を動作させることができません。
OSを動作させる前提の仕組みを開発し、そのうえでソフトウェア業界と連携していく必要があります。

ハードウェアも様々なものがありますが、「単体型」と「連携型」に分けることができます。

単体型とは、単独で使う前提の機器です。
例えば洗濯機や炊飯器のように、専門的な目的を単体で達成できるものが該当します。
そのため、ハードウェア業界で機器の製造やソフトウェアの開発を完結させることが多いです。
主に、家電メーカが開発から販売まで提供しています。

次に、連携型とは他の機器やソフトウェアと連携する前提の機器です。
例えばパソコンは、OSを載せて、その上でアプリケーションを利用します。
ハードウェア業界では完結できず、ソフトウェア業界との連携が必要です。
他にも、ネットワーク機器のようにデータ通信を実現させたり、通信のセキュリティを強化する機器も該当します。
種類ごとに専門のメーカが複数おり、ファームウェア開発まで行って購入者で他と連携して利用することが多いです。

通信インフラ業界

通信インフラ業界は、データ通信に必要なインフラを提供する業界です。
インフラとは日々の生活を支える基盤のことを示す用語で、水道・ガス・電気のように無くなったら生活に影響を与えるものです。
近年はITもインフラとして認識されており、中でも通信そのものの仕組みを「通信インフラ」と呼びます。
身近な例でいうと、スマホの電話回線やインターネット回線が該当します。
大手電話会社の設備トラブルでスマホが通信できないことが多々ありますが、インフラであるため影響が大きく、世間でも大きく取り上げられています。

通信インフラはITの中でも特に重要な業界ですが、直接的に関わることが少なくイメージが難しいです。
通信の仕組みを作る「通信事業者」と、通信環境を守る「データセンタ」があります。

通信事業者の中には回線事業者ISP(インターネットプロバイダ)がいます。
回線事業者は主に物理的に通信を支える企業で、拠点と拠点をケーブルで結ぶことで通信するための土台を作ります。
電柱同士の配線をおこなったり、戸建てに電柱から線を伸ばしたりすることで通信環境を作り上げます。

ISPは論理的に通信を支える企業で、回線事業者が配線したケーブルの中をデータが通るための仕組みを作ります。
おもに、インターネットに接続するための仕組みを提供しており、ISPと契約しないとインターネットに接続することができません。
皆さんも自宅の光回線を契約する際に、ケーブルを伸ばすための契約と、インターネットに接続するための2契約を結んでいると思います。
#近年ではビッグローブのように、ISP側でまとめて契約できるところも増えています

データセンタは、大量の通信を処理するための設備です。
複数の通信を処理するためのネットワーク機器や、コンテンツを保存するためのサーバが大量においてあります。
データセンタはデータ処理専用に独立しているため、通信を集中させることができます。
例えばYoutubeを本社で管理してしまうと、アクセスが集中した際に本社のすべての通信に影響が出てしまいます。
他にも、災害に備えて重要なデータをデータセンタに集約して守ったりします。

データセンタは自社コンテンツ専用に作る場合と、大きなデータセンタを作って区分ごとに貸し出すサービス用に作る場合があります。

最後に、情報処理サービス業界について説明します。

情報処理サービス業界

情報処理サービス業界は、ITを活用したデータ処理の仕組みを提供する業界です。
SIer(システムインテグレーター)と呼ばれます。
SIerは企業の要求を聞き、実現に必要なシステムを他業界の製品を組み合わせて提供します。
例えば、ある企業がYoutubeのような動画共有媒体を作りたいと希望していたとします。
自分たちで開発しようとすると、
・動画を保存するためのサーバの準備や構築
・不正に利用されないようにセキュリティの仕組みを構築
・同時につないでも通信がきれないような強固な回線の契約
・動画を共有する仕組みの開発
・etc…
このように、山積みの課題を解決しないといけません。
なんとか仕組みを作ったとしても、今度は仕組みの維持が必要になります。
利用者が増えれば仕組みを拡大したり、機器の老朽化や故障もメンテナンスも必要です。

このような設計から運用までの一連の流れを担当してくれるのがSIerです。
SIerは顧客企業と会話をし、どんなものを作りたいのか明確にしてから構築します。
企業は出来上がった仕組みをサービスとし、コンテンツを販売したり広告を載せるなどの仕組みを利用することに専念できます。
また、面倒な日々のメンテナンスをSIerに任せることもできます。

業界同士の関わり

先ほど説明したように、IT業界は大きく5つに分類することができます。
しかし、業界ごとに厳密に区別がされているわけではなく、業界同士で連携したり、1つの企業が複数の役割を提供したりしています。
以下の図をご覧ください。

ハードウェア業界とソフトウェア業界はお互いに協力しながら製品を開発していますし、
インターネット業界は通信インフラ業界がなければ成り立ちません。
また、インターネット業界で提供するサービスは情報処理サービス業界が構築することもあります。

このように、複数の業界が連携することでIT業界は成り立っています。

まとめ

上記で紹介した通り、IT業界は5つに分類できます。
業界の中でも業種は様々に分かれており、様々な業界と業種が連携することでIT業界は成り立っています。

業種ごとの職種については以下の記事をご覧ください。